<![CDATA[千代田実務パートナーズ - 海外調達 その心構えと実践]]>Tue, 18 Jan 2022 17:25:32 +0900Weebly<![CDATA[テーマその10:ロジステックおよびアフターサービス]]>Thu, 02 Jul 2020 02:21:51 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/10ここではロジステック(Logistics)を物品の輸送と解釈して話を進める。本来この英語は軍隊用語であって、前線で戦う戦闘豚にたいする後方支援部隊を意味している。実際の戦争では例え前線部隊がつよくとも、後方支援が不十分であれば、最後は戦いに負けてしまう。一般に支援部隊が表に出ることはほとんどないが、はたして海外調達の場合はどうであろうか。物品売買取引にあって、買い手売り手両者の関心事はその品質の良し悪しや、価格、数量などであって運搬や輸送は第三者任せのことがほとんどであった。しかしここへ来て物品製造が技術水準と原価で天井が見えだし、製造原価低減の余地がほとんどなくなってしまった。それとネット販売の爆発的拡大で物流産業が大きな影響を受けて、人手不足となり人件費が高騰しだしている。その結果、原価構成に占める物流費用の割合が高くなり無視できなくなってきて、海外調達の場合も慌て始めた。
 
*ところで海外調達の場合、輸送空間は基本的に陸、海、空の3つだが、これらを組み合わせたものを加えれば合計4つの種類となり、海の頻度が高く量も多い。輸送手段は鉄道、自動車、船、航空機と、これらの組み合わせで計5っとなり、それぞれの所要時間と費用も異なってくる。
*貨物化された物品の引き渡し・引き取り地点と保険などの付随条件はどのようにして決められるであろうか。こまかく説明すると煩雑なので簡略化すれば全部で10種類となる。そのポイントで一番分かりやすいのは、売り手の工場か買い手の工場の二つだが、これら以外の条件は国際商業会議所で決められており、インコタームス(INCOTERMS)として知られている。ネット検索で概要は解る。
*輸送費用は原価構成の中の重要な一部をしめる。すなわち、物品の工場出荷金額+輸送費用の全額+社外の第三者向け支払+社内直接・間接費用、の合計となる。試みに社外の代三者機関をあげてみると、税関、海貨物業者(乙仲)、保険会社、検査会社、銀行、梱包、コンテナ、などとなる。発生費用に関しては、買い手がすべての費用を負担することになるので他人任せは危険だ。
*上記の関連機関を結ぶのは、すべて書類によっており、文書の種類と量は膨大なものとなる。しかし現在では文書業務そのものは標準化されてコンピューター処理となるため、膨大な量とスピードもほぼ瞬時にして解決されつつある。ちなみに貿易実務は上記の作業をすべて結ぶ形で、説明されているため、いくら市販の本を読んでも理解するには限界がある。RFQの作成時には、上記ロジステック業務すべてを考慮して臨まなくてはならない。
 
調達する物品には、メンテ・アフターサービスが不可欠のものと、逆に必要としないものとがある。前者はおもに工業品で最後が企業間取引用工作機械や複雑なシステム装置などが対象となる。それは部品の交換や定期点検が不可欠のものであるため、海外品について日本企業は十分な留意を払わなければならない。一方で一般の消費物資(General Merchandize)の場合、消耗品で全品買取りでも不良品などの発生頻度が高いものは,
それなりの事前準,備と事後処理が必要になってくる。
 
東南アジア地域のメーカーは一部を除いて、輸出用のアフタ‐サービス体制が不十分である。ここでは欧米を主体とした実態について簡潔に紹介する。一般的に彼らの体制は日本よりも良くシステム化されているところが多い。RFQで関連文書の提出を要求すると手順書やマニュアルの立派なものが出てくる。しかしこれは裏ありというか訳ありで、日本にくらべて彼らの製品自体品質水準が低く故障頻度も高いため、必然的にメンテアフターに重点的に力をいれることから来ているものだ。逆に日本では文書その他はいいかげんでも、現場・現物への対応はしっかりしているところが多い。
 
最小の指示で最高のサービスが受けられる日本に対して、海外には最大の要求をしたほうが良い。したがって彼らに対するポイントは、厳しい条件により必要管理文書をRFQの段階でしっかりと要求しておくことである。またよくあることだが金額的には機器本体の価格は安い代わりに、交換部品やサービス料金が極度に高い場合があるので、注意しなければならない。そして緊急処置を要するものに対しては、日本国内のメンテ専門会社と提携を結ぶように義務付けることも必要だ。言うまでもないことだが、海外からものは国内外商慣習の差から特別な配慮が必要となる。
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<![CDATA[テーマその9―クレーム処理の方法]]>Wed, 25 Mar 2020 05:09:31 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/9画像
​用語として英語のクレーム(Claim)は一般に請求や権利のことを言うが、あたまにトレード(Trade)をつけると立派な貿易用語になる。ただし総称としては、法律用語的にも損害(Damage)が適切かもしれない。この他に品質分野では不具合や不適合として(Nonconformance)を使っている。また医療機器分野では苦情(Complaint)となるので、ややこしい。筆者の見解としてクレームの定義は「契約条件として合意した内容にたいして合致しないもので、かつ金銭上の支払い処理を伴うもの」となる。要するに有償の約束やぶりである。事故が発生しても話し合いで解決し金銭の支払いにいたらぬものはクレームの対象としない。客観的には保険金支払いの対象があげられる。

それではクレームの具体的な内容にはどのようなものがあるか整理してみよう。おおよそ数種類に分けられる。第一は物品・商品の機能価値にかかわる品質上のクレームであり、そのた数量や欠品なども対象となる。もちろん納期遅れも大きなクレームとなる。地震や輸送中の台風など天変地異による損害もクレームとして扱われる。さらに契約途中での業務停止、支払い拒否などが双方にあり複雑だ。大きく分類すれば、技術条件、商業条件、そして法律条件となる。これらのクレーム発生に当たって、発生原因が何で誰に帰属するのか、責任の所在をはっきり特定しなければならない。責任が分類可能なのは、買い手、売り手、第三者、不可抗力、そしてこれらの複合と、全部で5つとなる。

これまでクレームについてあれこれ述べてきたが、解決処理の具体的な手段について、はっきりしたことは触れていない。最後に解決処理の決め手ともいうべき、切り札を紹介しよう。物品の売買にクレームはつきものである。しかし大きなクレームとなると処理が大変で混乱してしまう。ただ日本国内だと、電話や会議で最小限の書類ですませることができる、比較的おだやかなものである。これが海外相手であったらどうであろうか。
言葉の問題、距離と時間、技術と管理手法の違いなどの壁が存在する。発生後の処理では、文書による説明、報告、指示、依頼、確認、許認可、などに加え発生する金銭や、スケジュールとの関係も明らかにせねばならない。それに資料だけでも、仕様書、図面、写真、現品や、見本などが続き、整理と管理が追いつかない。まるで目次のない本をめくっているようなものだ。

上記を含め一発で処理管理ができる文書が必要で、これがないと捉えどころがはっきりせず堂々巡りで混乱する。この文書の見本事例を紹介できないのは残念だが、発生情報を出きるだけ具体的に書き、発生原因と是正処置方法、そして最後に〆の欄を設ける。この文書は不具合品報告書(Non-Conformance Report=NCR)と呼ばれ,世界的に通用する。このNCRを表紙として関連書類を添付すれば、クレーム処理の報告情報一式がまとめられることになる。当然のことだがクレーム防止と処理は正式見積依頼書の段階から記述を準備しなければならない。一般にクレーム処理の記述は約款に属するものの、これはころばぬ先の杖で限界がある。日常的に発生するクレーム処理は約款との接点が少ないことを知っておいてよい。

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<![CDATA[テーマその8-品質不要の防止対策と納期遅延の防ぎ方]]>Mon, 02 Mar 2020 15:23:33 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/8海外からの物品調達で、最終的に日本の買手が満足する品質を入手せしめる方法は、三段論法として存在する。しかしほとんどの日本の買い手は, この三段論法を整理し、また理解をしていない。これについては最後に説明することとして、その前に品質の一般的なとらえ方について、調達の立場から概要を記そう。知られるように日本の要求する品質水準は海外品のものよりも高くて大きな差が認められ、この差が直接価格の差として現れる。ところがこの裏には隠れた問題が存在する。すなわち日本の買手は規定水準の上限をさらに超えたものを要求することがあり、この差を認めたがらない。一方諸外国の場合は基本的に日本よりは低く、しかも最低水準に収まっている割合が強くて、また常に安定性に欠ける。
 
ここで品質の言葉を分解すると、品は見てくれ・外観であり、質は機能・役割だ。しかし品と質それぞれに分解した合否の幅を合成したものが最終的に品質水準となるものの、それらの具体的な内容が明らかにされてはいない。そして最終結果は買い手の主観と好みにゆだねられて、混乱を引き起こす。技術、教育、経験、管理などすべてにわたり数十年の遅れが認められた途上国で、問題の起きない方が不自然と言うものである。
 
品質確保の三段論法だが、その1は品質不良品を納入させないことである。注文品が日本の工場へ持ち込まれてから検品では手遅れである。これは完成した注文品を売り手の工場から出荷前に、できれば全数を買手が直接立会検査(Witness Inspection)をして不良品を出荷させないこととする。合格品にたいしては直接表示をするなり、検査証明書を発行して、これを支払い条件と結びつける(信用状)ように注文書に規定する。しかし出荷前ごとに立会検査をやっても常に不良品が出る場合には、第2の手段として不良原因を追求して製造工程に立ち入って、良品になるまで品質の向上を達成する管理を行う。これすなわち品質監理(Quality Control=QC)である。
 
この管理を実行するには買い手による専門家の参加と指導、ノウハウなどが必要となり、余分な費用や期間も発生する。調達を超えた業者の教育訓練、指導管理となる。さらにこの2段階の状態を2年、3年にわたり継続を保証せよ、との要求になると、これは第3段階の品質保証(Quality Assurance=QA)となる。ここでは作業マニュアルや関係者の資格が要求される。最後に買い手として必要最低限の事前準備すべき事項をあげておこう。1.相手方の品質能力で事前に下限を把握しておく、2.つぎには買手としての要求条件をすべて文書化して渡しておく、最後は3.製作現場へ出向いて文書との確認をする。これらは全て正式見積依頼書の準備段階から、業務の流れの中に入れ込んでおかないといけない。後出しではダメだ。
期遅延防止は難しい。これはビジネス上の管理の問題を超えた,彼我の文化意識の違いからくるものだからである。買い手のバイヤーが黙って机に座ってパソコンの画面をみている間に、自然と物品が納期どおりに納入されることを期待している日本国内の調達とは別物だ。かれらには納期遅延が日本の買い手に対してだけではなく、彼ら同志の間でも常に問題化しているからである。
 
事前に製造工程を明らかにして確認しておき、あわせて設計図面や仕様書などの作成発行スケジュールおよび材料手配と納入、さらには加工開始の時期も抑えておく。これらの情報資料をもとに実際の進捗状況を確認のため、週単位あるいは循環的に加工現場へ出向き報告書を作成するのである。当たり前のことだ。かの地では必要書類と専任の担当者が割り当てられており、呼称は(Ex peditor)と呼ばれ日本の企業内には不必要で、存在しない職席である。
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<![CDATA[テーマその7-発注後の契約履行管理]]>Sat, 14 Dec 2019 11:02:48 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/7日本国内の物品売買取引では、内示書あるいは注文書を発行してしまうと、買い手側の調達担当者の業務はほとんど終了したといって良い。なぜならその後は物品の納入を待ち社内の倉庫で受け入れ検査・検品を行い、問題がなければ支払いをするもので、これ以上の仕事はないからである。芝居にたとえれば注文書の発行は舞台の幕が上がったようなもので、後は観客に見てもらえばよい。舞台の装置もよくできおり、役者も勝手知ったる面々で、もちろんセリフは日本語である。脚本に多少のミスがあっても役者はうまく乗りこえてくれる。これが海外であったらどうだろうか。開幕の後は気が抜けない。なぜか。役者は外人、台詞は英語、脚本はイマイチで、とんだドタバタ劇になる可能性が強い。

海外からの調達品で実際に散見される具体的な事後発生業務の例を何点かあげてみよう。1.支払い条件で前渡金を30%払わねばならない。2.取引通貨は米ドルで合意してしまったが、為替変動対策を講じてなかった、3.相手方から注文請書がなかなか送られてこない4.信用状の開設もしなければならない、5.設計その他の変更や改定変更事項が多く発生して管理が追い付かない、エトセトラ―である。相手方の営業担当者は譲歩や妥協、ソンタクなどの感覚意識が日本ほどほど強くなく、これらに加えて品質不良や納期遅れが慢性的だ。場所も時間も離れ言葉も英語でままならず、手の打ちようがなくなってしまった、などと言うものである。

海外調達を何件か体験した日本企業のバイヤーは、上記の事態に直面しているはずである。しかし事態を理解はしても是正、好転させて望ましい方向へもっていけるかとなると、これは別問題だ。個別の事態を別にした一般的な留意事項を紹介しよう。まず買い手と売り手の双方に見られる準備不足であるが、少なくとも買い手側からの事前ミスを最小限に止めおくことが必要だ。抜けのない書類と記述の正確さ、くわえて遅れのない交信力で、それなりの英語力もないといけない。これらの条件がそろえば、プロバイヤーと呼ばれるであろう。注文書の発行後は、売り手と買い手の双方ともに連絡・通知の業務処理が大変になる。問題が発生した時にその都度1から書いて説明していたのでは時間がかかってしようがないので、これを助けるために変更改訂管理表=Revision Control Sheetと称して補助文書を標準化して作成しておくのである。

基本的には、文章表現を最小限にとどめて、箇条書きか完全な帳票形式にまとめるものである。具体例は紙面の関係で表示できないが、ポイントは改訂事項を、TVでの化粧品宣伝よろしく、使用前(Before)、使用後(After)としてわけ、具体的に数値や材質、数量など、なんでも変更となった条件を単純に記入するだけである。変更や改訂の理由それに結果処置手段なども必要な範囲で簡単につけ加えておく。そのほかに必要な説明資料は、添付資料として取り扱えばよい。一般には計図面などに記載されている形式を利用したものを、想定できる。上手くエクセル化すれば便利この上ない。]]>
<![CDATA[テーマその6:正式見積依頼書と注文書の関係および作り方]]>Thu, 24 Oct 2019 03:46:03 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/6物品売買取引で法律上唯一有効な基本文書が注文契約書であることは買い手、売り手の双方とも否定できない。しかし実際の調達業務となれば、買い手にとって実務上最も重要な文書となると、正式見積依頼書である。売り手にとっては勿論見積書だ。ビジネスでも先に剣を抜き、弾を込めた方が勝ちであることに変わりはなく、先手必勝の諭理である。ここでは売り買いの力関係について触れないが、買ってやるのか買わせてもらうのか、売らせてもらうのか、売ってやるのか関係は論理ではなく力の問題で一種のパワーゲームである。とくに工業品を買う場合は、文書の比重と力が強くなる。
 
 正式見積依頼書(Request For Quotation=RFQ)と注文契約書(Purchase Order=PO)は表裏一体の関係にある。完成度の高いRFQはごく一部の項目を変更、記載しただけで、つまり最低限度の変更、改定でそのままPOになり代り、変身してしまう。逆に不正確なRFQは先まで混乱をもたらすことになり原RFQと完成したPOでは全く別ものになる可能性さえ出てくる。かりに内容の粗雑な原RFQがそのまま生きてPOとして利用された場合、POの発行後に相手方の営業担当者に大幅なスキを突かれて取返しのつかない事態も起こり得る。
 
 本稿に従えば完成度の高いRFQの作成は、それほど難しくはない。なぜならRFQ作成・完成のための必要情報はほとんど事前に調べられているからだ。調達業務の流れをふりかえれば、物品選択に始まり、予算見積依頼書(Request For Budgetary Quotation= RFBQ)、業者探し、そして彼らの供給能力まですべて、調査・審査ずみだからである。従って個別RFQに必要な条件だけを選び出して順を追って整理して記載してゆけば自動的に仕上がってしまう。ここでRFQの一部で代表的な記載事項を何点か挙げてみると、物品名称、材質、寸法性概要、数量、など全部でおおよそ20点くらいになるので、これらの条件を目的として縦に一覧で並べる。その右側の空欄には具体的な該当情報を手段として記入してゆけば基本条件は完成する。もちろん個別条件はテーマその3で紹介した分類によって異なるので、十分注意しなければならない。これらを核としてあとは各種の添付書類となり、それらの代表的なものが、約款、材料部品表、技術仕様書、図面、データーシート、見本などとなる。
 
 順序が前後したが、ここまでくればむしろ大切なのはRFQの条件に加えた、書式・形式ということになる。これには意匠・デザイン、と管理条項の組み合わせだ。バイヤーの名刺とおもえばよい。書式と会社ロゴ、文書名称、番号と改訂、完成度の高いRFQはPOとあまり変わらないので、相手方の技術能力だけを先行して扱うときには、商業条件である金額情報を除いた、仮注文書などと呼ばれ、Unpriced PO=UPO やPro-forma Purchase Order=PPOとも表記されることがある。
 
 注文契約書だが、単純に一文書を考えれば、これは正式見積書の単なる改訂版にすぎない。しかし実取引では重要度ナンバーワンである。改訂版の内容範囲だが、それこそRFQの完成度が高ければ数か所の訂正でPOは完成してしまう。契約書が発行されるまでは、買手と売り手の間でそれこそ力関係が前面に出ての交渉になるパワーゲームそのものだ。しかしひとたび注文書が発行されれば、これは完全な合意文書であるから両者の間に力の上下関係はなくなり、固く言えば客先も業者もない、約束事を守るだけだ。
 
 正式見積書と注文書の作成方法では、無差別に調達必要条件を目的と手段に分けて列記する。例えば目的は、取引通貨(円、ドル、ユーロ、SDR,その他 )、支払い条件(全額前払い、10%前払い、出来高払い、保留金、その他 )、引き取り条件(Ex. works, FOB,CIF,その他)など、おおよそ20綱目にのぼり、カッコ内がその手段であって、この中から決定条件を選択することになる。あらかじめ表などにより標準化しておけば、ほぼ自動的に処理は可能となる。様式は文書でも、箇条書きでも、表などのいずれでもかまわない。]]>
<![CDATA[テーマその5: 海外メーカーの技術能力信用調査・審査方法]]>Sun, 08 Sep 2019 05:43:42 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/5新しい海外の取引先に対する事前の能力信用調査は,各企業によりいろいろな方法で行われている。一般には財務経営能力が最優先条件としてあげられ、 海外メーカーの技術能力信用調査・審査方法新規業者選択の結果、候補者として残った一次の数社に対して二次の本格的な工場審査を行う。新しい海外の取引先に対する事前の能力信用調査は,各企業によりいろいろな方法が採られており、一般に財務経営能力が最優先条件としてあげられるが、目的によって実際の評価内容には変化がある。
 
ここでは、主として製造業者にたいする技術的な視点からのからの評価審査内容となる。海外のメーカーを評価する場合、買い手として包括的な枠組みと入念な実務手順が確立されていなければならない。さもないと折角の評価業務が無駄に終わってしまうことが少なくない。まずは包括的枠組みであるが、全体を時系列的に全中後とわけて取り扱うと良い。即ち前を第一ステップとして事前準備、中を第二ステップとして現場工場での実態、そして最後の第三ステップは結果処理である審査通知と合格の場合の認定登録手続きで終わる、一連のシステムである。

しばしば見られる例だが、商社に先導されて数社のメーカーを半分はツアー気分で巡回し、あとの整理に苦労するようではいけない。自ら自主性をもって積極的に攻撃的に立ち向かわねばならない。事前の準備は、担当者が変わっても困らないくらいの必要文書を入念に作成しておくことにつきる。能力審査といっても具体的にどのような能力かを、前もって決めておかねばならない。
 
海外のメーカーから耳にする話として「日本のバイヤーが次から次へやってきて調査や審査をうけたが、彼らの多くが自分の欲しいもの、要求条件をなかなかはっきりと言ってくれない、Tell me what you really want.といいたいところだ」というのがあった。たしかに日本側として、視察後に相手方であるメーカーの弱点をよく把握しているのは判るが、自社の事には触れない傾向がある。
 
能力審査をスムースに進めるには、まず買い手としての要求能力内容をはっきりと文書化により整理して臨まねばならない。そしで相手方の供給能力を確認し、比較のうえ彼我の差をみて評価を下すことになる。能力の内容を大きく分類すれば大体5つになる。具体的には、会社概要、財務経営、技術、品質、最後に仕様適合となるが、いずれもチェックリストや仕様書など文書さらには現物見本などがないと準備にはならない。これらの中で最重要なものは最後の個別仕様適合である。
 
本格的に審査を進めるには第一次で必要文書類をしっかり固めておかねばならない。該当する調査・質問状を予め先方へ送り、可能な範囲で回答を入手しておいてもよい書類審査である。受験生に試験問題を事前に渡して大丈夫か、との疑問がでるかもしれない。しかし買手の審査員は眼光紙背に徹する知識と経験を持たなければいけない。書かれた文字の行間そして裏面を読み込む力である。第二次は現場工場へ出向いて現物、現実を自分の目で直接確認し書類の裏付けをとる。審査作業は時間との戦いになるので、相当な緊張を覚悟せねばならない。相手側に先手、主導権を握られてはいけない。理想的な手順は表敬挨拶が終わった直後に簡易現場巡回をし、それから本格的な審査に入る。整然と作られた文書類や、美辞麗句よりも現場・現物・現実の確認が優先である。第三次は事後処理で,合否の結果を相手方に通知する。通知のタイミングと方法および認定範囲や期間などの内容・条件となる。
 
さらに業者認定は二者間認定であり、ISOのような第三者機関による認定とは全く異なるものであることの認識が必要だ。ISO認定資格を取得している工場が不良品を出しても、これらの機関は責任をとる必要はない。ここに二者間による審査は合格を前提として審査をするべきである。二者間でおおくの費用と時間をかけて折角候補として選んだメーカーを不合格にして、得をするものは一人もいない。それだけ合格する可能性の高い候補者を事前に選んでおかねばならない。]]>
<![CDATA[テーマその4:海外有力メーカーの探し方]]>Sun, 04 Aug 2019 08:57:40 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/4海外からの調達に当たって物品選択も業者選びも、その重要さにおいて大きく変わるところはない。実際にできの悪い業者を選んでしまったら、注文書発行後に取返しがつかなくなってしまう。逆に信頼のおける業者を選ぶことができたら、海外調達目的の80%は達成されたと言ってもいいくらいだ。それだけに慎重を期しても慎重すぎることはない。数多くある調達業務の中で「新規取引先の開拓業務」はそれこそ30%くらいの割合を占めてもおかしくはない。国内調達で採算が見合わなくなったときには、海外業者の探索に全力投球することになる。

行き当たりばったりのやみくも的な探し方ではなく、基本的に体系・システム的に探索業務を分類してから取り組まなくてはならない。思い起こしてみると良い、必死で相手側の業者を探している買手の担当者がいるとすれば、一方に海外業者側の営業マンも必死で金払いの良い日本の買手を探していることを忘れてはならない。そしてこれら二者の間にはネットの合コンサイトではないが、必ず仲介者が存在している。これを有効に利用しない手はない。
仲介手段は数種類あるので、代表的なものを順不同で挙げて、簡単に説明してみよう。それぞれに特徴と得失はあるが、まずはインターネット情報である、つぎには商社で、第三者
機関となり、さらに見本市、個別企業、個人となる。

*インターネットを徹低的に使いこなして企業情報を入手する。これが使いこなせれないと効率の良いビジネスは展開できない。スピードが遅くては、確認不行き届きでは、直接取引が難しく高くついてしまう。相当な英語力が必要とされるのは言うまでもない。唯一の問題点は情報のほとんどが画面上のものであり、極端に言えば仮想情報的で、実体は別物の可能性が存在するとの事前認識が必要だ。
*商社は日本のメーカーにとって一身同体の存在であり、DNAの一部ともいえる。商社経由の海外取引はリスクが限りなくゼロに近い国内取引といっても差し支えない。そして利益のほとんどを商社が確保してしまう。それでも調達者の利益が見込めるのなら、商社を使えばよい。
*第三者機関としては、代表的なものとして日本貿易振興会(ジェトロ)があり、類似の機関としては商工会議所をはじめ各国の在京大使館、商務部などが挙げらる。ここへ出向けば、必要資料が具備してあり閲覧ができ企業情の入手が可能だ。もちろんネット情報が使える。
*見本市は最大効果をもたらす仲介機関である。なにしろ物品現物かそれに近いものが直接確認できて、相手の企業の状況や営業マンと指しで話して交渉ができ、見積もりの概要を入手もできる、それこそ千載一遇のチャンスで、これ現物に勝るものはない。
*客先、競合相手、下請けなど特定の個人に、会合や ・・・のおりに、偶然あるいはそれとなく尋ねることにより、ズバリの業者名を入手確認できる、またとない機会である。彼らから得られる情報の信頼性は確実で高い。

海外の業者探しには大変な努力と辛抱が必要である。なぜならネットや年鑑などの情報資料は社名と製品概要などの記述に限ら得るため、買手の求める特定の個別物品そのものを供給できる海外の業者を探しあてるまでには時間がかかり、探索作業の絞り込みが避けられないからだ。 ]]>
<![CDATA[テーマその3:予算見積依頼書の作成方法]]>Mon, 15 Jul 2019 13:23:08 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/3海外の有力メーカーを選ぶには、買い手として要求する物品の様々な条件を、具体的に整理しておかねばならない。またメーカーを選ぶにあたっては選択条件を大きく二つに分けて作業を進めるのが、判りやすく一次条件と二次条件とする。一次ではそれらしき数社のメーカーを選び出すもので、基準は要求物品に類する種類のものを製作していそうな企業で、付帯条件をのぞいたアバウトな選択である。二次では一次で選ばれた数社の候補の中から、要求物品そのものである買い手の仕様適合品を選択採用することになる。これでわかるように一次は書類審査で、二次は書類の記載事項に対する裏付けを目的とした工場現場審査となる。

 調達すべき物品が決定されたからには、それまでにかなり細かい調達条件が決められているはずなので、これらの条件を整理しなおして資料とし、まず「予算見積依頼書=Request For Budgetary Quotation]を作り上げなくではならない。予算見積依頼書の作成が大変なら、略式の「問い合わせ書=Inquiry」でもかまわない。海外調達業務の中で新規業者を選ぶとき、彼らの信用能力を確かめるため、まず文書で次に現場製作場の審査をおこなう。これらの審査にさきだって、いずれの場合も買い手としてあらかじめ把握しておくべき要求条件を整理しておかねばならない。

 要求条件の中での最重要事項は、物品の製作供給の能力(技術)と価格水準(商業)の二つである。技術条件を集約したものは材料部品表(Material Bill Sheet )とよばれ記載事項の内容は下記となる。
 文書番号、部品別項目番号、部品名称、寸法・重量等、数量、適用仕様書、図面番号、その他略式の問い合わせ状は簡単な事情説明を述べて、上記の文書類を添付すればよい。要約すると下記となる。問い合わせ状、予算見積依頼書ともに、余分な付帯条件である商業、法律関連の記述を一切避けて、取引通貨、支払い条件、引き取り条件など最低限のものに記載を限る。両文書は定形標準文書を作成しておくと便利だ。]]>
<![CDATA[テーマその2:海外調達に最も適した物品の選び方]]>Mon, 17 Jun 2019 07:21:37 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/2れわれが一般に仕事を学ぶのは、成功事例よりも失敗の事例からの方が効果的である。海外調達における物品の選択も例外ではない。どうしてこんなものを買うことにしたのだ? 一体全体だれがどうやってこんな物品を選んで決めてしまったのだ? あまりにもひどすぎるじゃないか。こんな事態をくり返さぬためにも、物品の選択はあらかじめ慎重に取り組まなくてはいけない。ころばぬ先の杖である。物品売買を成立させる条件は数多くあるが、最低限の必要条件を挙げれば大体5ッくらいとなる。具体的には、物品が存在すること、金額が見合うこと、数量が満たされること、品質と納期がまもられること、そして最後はアフターサービス体制が整っていること、などである。 せっかく海外から調達したのに、結果的に失敗し、後になってから「事前になんでよく調べておかなかったのだ、調達金額が随分高くなってしまったではないか、一体どうしたんだ」となっては元も子もない。

 上記の5つの条件だけではどれ一つが欠けても取引は成立しないため、優先順位をつけるのは賢明ではないかもしれない。ただ海外から調達する目的が日本国内のものが高額だからであることを考えれば、まずは価格第一である。すなわち絶対に損をしない価格・金額水準を事前に確認しておくことである。 つぎには業務効率・手数のかからない、できるだけ取り扱いの簡単な物品を選択することである。複雑で込み入った装置などは、避けたほうが良い。一台一億円の機械より、一台100万円の物品を100ヶにした方が業務上の取り扱いは簡単で、書類上は数と金額を変えればすんでしまう。一台一億円の物品は一般に文書類の取り扱いが多くて業務が複雑、煩雑になる傾向が強い。

 以上をまとめると、調達業務の視点からは
1.損をしないものを選び出す、
2.業務処理の簡単なものを選び出す、
3.具体的な物品の選択評価項目を挙げておく、
4.各項目に対して国内法規など優先順位と採否可否の基準、を決めておく、
5.合同会議であっても最終決定責任者をきめておく。
これらの条件によって選択の内容透明化して、事後の言い訳と逃げ場をふさいでしまうのである。

 なお既に調達せざるを得ない物品が決定されている場合は、本稿とは別の管理手法が必要となってくる。価格・金額の絶対性と品質・納期の確実性を確保することが査台の条件となってくるが、場合によっては現在国内用の機能・品質仕様や、短納期のなどの条件を緩和せざるを得ないことが発生する。]]>
<![CDATA[テーマその1:海外調達基本業務の流れ]]>Sun, 09 Jun 2019 01:45:46 GMThttp://c-jp.or.jp/procurement/1海外から物品を調達するときの業務内容は、物品の種類などによって異なってくるし、また同じ品物でも発注単位によっても異なる。しかし業務の流れそのものは時系列的に見た場合ほとんど変わらない。
  なぜなら調達すべき物品を決めたら、予算見積依頼書を作成して、業者を探し出す、そして彼らの技術信用能力審査をおこなって、問題点がなければ認定登録をする。その後は正式見積依頼書を作成して、見積書を入手し、内容を検討し、交渉の上合意に至れば、注文書を作成して発行ののちに請書を確認する。それ以降は納品をまって到着後に受け入れ検査で合格すれば支払いをすませる。途中や納入後にクレームが発生すれば、処理を素早く確実に行う。以上を含めて主要業務をまとめると、その数はおよそ17くらいとなる。
 
 ここに上げた業務の種類と順番や流れは、相手や物品の種類が変わっても、ほとんど同じである。ただこれら業務の流れは、業務そのものが自主的に流れるのではなく、流すための手段が必要となる。具体的な手段は文書類と人、即ちバイヤーである。流すのはこの二つで、これらがないと、流れは単なる絵図になってしまう。たとえを挙げると、高級自動車があって運転マニュアルが準備され、A級ライセンスをもったドライバーがいても、車は動かない。動かすにはガソリンが必要不可欠である。それこそ文書は世界中に通用する水準の内容、が充実したものでなければならず、取り扱うバイヤーも調達業務の経験が豊富なプロ級であればいうことがない。もちろん英語の力も要となる。これらの条件が欠けていると、問題が発生する可能性が高い。
 
 20近い業務を効率的に運用する方法がある。これらを時系列的にパッケージ別に分割することで前後の整理をつけて業務の混乱を避けるようにする。業務を分割する方法は簡単で、前、中、後と三段階に分けておくと良い。すなわち前は新規業者の認定登録までで、中は正式見積依頼書と注文書の発行まで、最後は契約の履行管理となり、これらを一本の糸で結びつけるようにする。一つ一つのパッケージをしっかりまとめてとおくことで、後戻り業務の発生を最小限におさえることができる。クレーム処理は下流の最終仕事に属するが、速やかな作業を要求される。さらに原因を追求してゆくと上流へと向かうことが多く、再発防止の手段を提案することも要求される。このときにパッケージの存在が有効性を発揮する。管理をするのである。
 
 最後になるが海外調達の手順は、厳密にいうと一件、一注文単位ごとに内容が変わってくる。
一般に調達・購買担当者の業務分類は、取り扱い物品別を基準としている。工業品と消消費物品の調達は全く異なった手順となる。しかしそのもの違いを大枠で整理分類する方法がないことはなく、ここでその一例を紹介しよう。大枠では5種類くらいに分類することが可能だ。それぞれについて代表的な事例を挙げて以下に紹介する。もちろんこの他の分類方法もあるので、各自で整理し、自分の取り扱う物品がどの分野に属するかを知ってみることが勧められる。
​ 売買形態別:口頭売買、見本売買、文書売買、電子売買/物品の種類別:原材料、素材、部品、組み立て品、完成品、システム品/入札制度別:一般競争入札、指名競争入札、随意契約/発注単位別:単発、継続、少量多頻度、長期包括/その他:開発品、試作品、認証取得品、単品、量産品、相場品。企業も、調達当者も自分の取り扱う調達物品がどの分類に属するものかを事前に理解しておくことで、先の混乱を避けることができるはずだ。]]>